私が「自分を責める」をやめられなかったとき(4)

頭の中で鳴りやまない「自分責め」の声は、幼少期からずっと続いてきた親の怒鳴り声。

私は、親からひたすら言葉の刃を向けられて、来る日も来る日も恐怖に怯えながら、

「安心」や「安全」を一切感じることができない家庭環境で育ってきたのです。

 

でも、そのことに気づけたら、もう次第に楽になっていくのだと思っていました。

私はこの問題を早く解決したい、早く「普通」の人と同じになりたい、

もう乗り越えてなかったことにして、全部を一からやり直したい、、、

そんな気持ちでいっぱいでした。

 

ですが、その事実を知るだけでは、「自分責め」の声を止めることはできなかったのです。

長い年月をかけて植えつけられてきた思考は、簡単に変えられるものではありませんでした。

その後も結局、何年間も苦しみ続けることになったのです。

 

 

私に本当に必要だったことは、

「そのときに心から傷ついた自分」と深く向き合うことでした。

 

私は、親から愛されなかった。

私は、親からいつも言葉の暴力を受けていた。

私は、親からいつも否定されていた。

それがとても悲しかった。

とてつもなく惨めだった。

ものすごく、寂しかった。

どこにも逃げ場がなくて、どんなときも一人ぼっちだった。

生きる価値がない人間だと思い知らされ、常に絶望していた。

 

 

このような子どものころの「本当の自分の気持ち」と向き合って、

「そうだよね。

本当にものすごくつらかったよね。

私はこんなにも苦しい状況に何年も耐え続けてきて、

もう立ち直れないくらいボロボロだったんだよね。。」

と、一つ一つの感情に寄り添い、そのまま認めてあげることが、

最も大事なことだったのです。

 

 

自分の感情を置き去りにしていると、

その感情が無意識下であとから強く訴えかけてきます。

気づかないふりをしてやり過ごそうとしても、消えてなくなることは決してありません。

向き合わない限り必ずツケが回ってきます。

 

無理やり蓋をして、何か別のことをしようとして気を紛らわせても、

体調不良を引き起こしたり、対人関係のトラブルを引き起こしたりして、

ときには仕事に支障をきたしてしまうほど、重い症状につながることもあります。

 

心の傷を癒すには、過去の事実だけでなく、

「そのとき自分はどう感じたか」ということに丁寧に向き合い、

そのひとつひとつの感情を浄化していくことが必要なのだと、

当時の私は強く思い知らされました。

 

次回で完結となります。

(5)に続きます。